こんにちは。高岡氏です。
今回も延岡~佐伯の徒歩記録。
いよいよ「宗太郎越え」区間に挑みます。
市棚駅を出た時点で佐伯まで41kmの表示。
今のペースのままだと佐伯には21時頃に到着か。絶対そのままとはいかないけど・・・。
急カーブがあるといよいよ峠に入るんだな~という感じです。
あっさり線路に入れてしまう危険地帯。
こんな所でグモったらめちゃくちゃめんどくさいことになりそうです。
恐らく自殺志願者はわざわざこんな所には来ないとは思いますが・・・。
「よろい」ではなく「あぶみ」。
大分~宮崎を南北に結ぶルートは主に3つありますが、
北川町から豊後大野方面に向かう国道326号線、佐伯方面へは前記事でも挙げた東九州道が開通しており、わざわざこの峠越え区間を選ぶ利用者は少ないようです。
そのため幹線ではありますが交通量が少なく非常に歩きやすい道となっています。
また、峠越え区間という割に急峻な道ではなくかなり緩やかな坂が続く形なので、ある程度長距離に慣れた初心者向けコースと言えるのではないでしょうか。
正午過ぎに県境に到達。
一番下の写真の左横にお地蔵様があったので、旅の無事を祈りお供えしておきました。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
お昼で気温16℃、曇りとかいう絶好の天気。
私が歩くときはいつも天気に恵まれている気がします。
12:50 宗太郎駅 到着
というわけで、今回の徒歩旅最大のハイライトがこちらの宗太郎駅となります。
いわゆる「日豊本線1.5往復区間」の中でも最も秘境度の高い駅であり、同区間を代表する駅です。
駅には至る所に謎の石が置かれています。
誰が始めたのか分かりませんが、重岡の方に「トトロのバス停」なる観光スポットがあるのでその繋がりだったりして?
もちろん駅ノートはあるのですが、その隣の箱の中身も豪華なものです。
筆記用具にウエットティッシュ、消毒液など至れり尽くせりです。
JR九州の観光列車「36ぷらす3」の停車駅に選ばれたこともあり、この駅の人気はさらに上昇していることでしょう。
というわけで、ここでお待ちかね昼食タイム。
といっても近隣に飲食店など無いので、前日に延岡駅近くのマックスバリュで買っておいたパンを頂きます。
どこかしらに飲食店はあるだろうと高を括っていたのですが、上述の通りこの国道10号線は超閑散区間となってしまったためか、本当に全然飲食店がありません。
一応宗太郎駅までの道中に元カフェっぽい建物はありましたが・・・。
というわけで、この区間を歩く方は前日に昼食を購入しておきましょう。
またもう一つ辛かったのが、
市棚駅には道沿いに自販機と商店があったようなのですが、駅構内に入るためにそこをスルーして来てしまい、宗太郎駅到着時点でミネラルウォーターのボトル1本が残りわずかという状態に・・・。
徒歩旅のときは事前にあれこれと調べるのはあまり好きではないのですが、やはりちゃんと調べた方が良いですね、ハイ・・・。
そして駅周辺はというと、
時刻表が剥がされてしまっているということはもう廃止されてしまったのかもしれません。
情報が少ないのでよく分かりませんでした。
まっさらな選挙ポスターボードが、この時の止まったかに思えるような地域にもしっかりと時間が流れていることを教えてくれます。
最後に駅の跨線橋から集落の様子をパシャリ。
文句のつけようのない秘境です。
かつて遊漁許可証を発行していたらしい建物。
道沿いの家の前に座っていたおじいさんに、
「歩きか~大変だなあ!」
と笑われましたが本当に自分でもなんで歩いているのか分かりません。
14:46 重岡駅到着
というわけで「宗太郎越え」北側の駅がこちらの重岡駅。
市棚駅同様非常に大きな構内となっています。
また、佐伯から重岡折り返しの列車が夕方に1本あるため、ここからは「1日1.5往復区間」では無くなります。しかし延岡方面の列車は相変わらず1本しかありません。
また、この重岡駅からは佐伯方面と豊後大野方面へのバスが出ています。
交通上の重要な拠点であると言えそうですね。
そしてついに待ちかねたアレが・・・
自販機キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
実は宗太郎駅を出て少しした時点で最後の水を飲み干してしまい、「さすがに重岡駅には自販機あるやろ・・・」の思いで自分に鞭を入れていました。
ここに無かったら今頃この文章は書かれていなかったと思います。
というわけでウッキウキでコーラとミネラルウォーターを1本ずつ購入しました。
そのときは本当に何も意識せず買ったのですが、そういえばコーラってエネルギー補給に効果があるんだったよな・・・と思い調べてみたら、「飲んで1時間程度で血糖値が下がり逆にスタミナ切れを起こす」って書いてあった・・・。
周りに山しか無かった風景からようやく変化がありほっとしました。
駅の近くには営業しているのか分からない旅館も1軒あります。
この宇目地区の中心はここではなくもっと西側にあり、残念ながらこの辺りで買い物出来そうな場所はありませんでした。
トトロのバス停は今度行ってみようかな。
つい最近廃墟になった建物。
重岡駅を出て10分ほどですぐに次の駅名である「直川」地区に入りますが、
駅自体は10km先にあります。
宗太郎越えをしたというのにまだそんなに距離があるのか・・・。
この色褪せた看板によると、直川という場所はちょっとしたリゾート地のようですね。
東九州道が無かった時代はここも賑わっていたのかもしれませんが、こんな所に泊まって何をしていたんでしょうか・・・。川釣り?
宗太郎駅前後の区間と比べて違うとすれば、一応小さい集落はあることくらいでしょうか。
ここで出会ったお爺さんに延岡から歩いてきていることを伝えると、激励の言葉を頂きました。基本的に孤独な戦いですから、こうして誰かに応援してもらえるとすごく嬉しいですし力になります。
北川駅を過ぎたあたりから特急とニアミスしてばかりで久々に視認することができました。
こんな山奥にもラーメン屋があるんですね。
強烈な豚骨臭が営業中であることを教えてくれます。
実際に訪問した方のブログもありました。
どうも知る人ぞ知る名店らしいですね。
現在は店舗営業ではなく昼間の移動販売のみを行っているという情報も見ましたが、いかんせん情報が少なくてよく分かりません。
だんだんと町の様相を呈してきます。
17:20 直川駅到着
この駅から、重岡駅止まりの列車が2本停車するようになるため、ここから北は「1日3往復」区間となります。
また駅名標にもイラストがありますが、この町のシンボルは「巨大カブトムシのオブジェ」です。跨線橋に登れば見ることが出来ます。
17:48発の重岡行き普通列車が入線。男性2人が降りていきました。
てっきりこの区間は特急型車両しか来ないものだと思っていたのですが、重岡止まりは普通に通勤型が来るんですね。
この車両は重岡駅で、18:21発大分行きとして折り返すことになります。
この後すぐに宮崎方面の特急が通過していきました。
ところで1つ気になったことがあります。
それは待合室の壁に貼ってあったこちらのお知らせです。
ちょうど来宮駅で車椅子利用者が乗車拒否されたと騒ぎになっていましたが、高齢化に伴い地方の公共交通機関のバリアフリー設備不足は非常に重要な問題となっています。
田舎の利用者僅少駅に全てバリアフリー設備を整えようとすると当然莫大な費用がかかってしまい現実的ではないので、介助が必要な場合は各鉄道会社に事前連絡が必要な場合がほとんどです。
さて問題は、この介助可能な時間帯が
9:00~18:00
であることです。
・・・もうお分かりかと思いますが、
その時間電車来ないやないか~い!!!
まあ17:48に重岡行きが1本あるのですが、肝心の大分方面の列車で介助してもらえないため、ここだけ介助を利用しているというのは考えにくいような気がします。
いくら乗る人がいないからって投げやり過ぎな気が・・・。でもやっぱり乗る人がいないのでどうでもいいのかもしれません。
ちなみに駅近くにはスーパーがあります。このルートにおいては貴重な補給源です。
さてさて、この直川駅で既に歩行距離は40kmを超えました。
未知の領域だったのでどんなものかと思っていたのですが、正直この辺まで来ると10kmも20kmもあまり変わらないような気がします。
日没が迫ってくる中、地元の中高生らしき子供とすれ違うこともちらほら。
反対側の歩道にいた女の子にすら「こんにちは!」とあいさつされたのは流石にびっくりしたのですが、実はこれ不審者対策なんですってね。世知辛い世の中です。
どうでもいいのですが、個人的に明らかに年の離れた子供相手に話すときが一番困ります。敬語で返事をするのも変な感じですし、だからといっていきなりタメ語で話すのはコミュ障の私には無理ですから・・・。
というわけで、子供に「こんにちは!」と言われると脳内で逡巡した挙句、
「あ・・・ども・・・っす・・・」
という返事しか出てこないわけです。決して不審者というわけじゃないんだ、許してくれ・・・。
先ほど直川駅で見た重岡行き列車が折り返してやって来ました。写真の撮り方を気にしている余裕はありませんでした。
駅前の通り。
19:07 直見駅到着
これまで見てきた駅に比べると若干こぢんまりとした印象を受ける駅です。
本数は直川駅と同じく1日3往復となっています。
さて、佐伯駅までは歩けないにしても、上岡駅まではどうにか歩ければ全駅訪問は叶います。終電(21:00発)まで2時間近くあるので、通常通りのペースでいけば6km先の上岡駅には間に合う計算なのですが・・・。
直見駅のベンチに座ると足を動かす気が全く無くなってしまいました。真っ暗ですし反射材もないのでこれ以上は危ないと思ったので今回はこれまでにしておきました。
1時間くらいすると貨物列車が通過していきました。
風がめちゃくちゃ冷たいし早く宿で風呂に浸かりたい・・・。
というわけでホームで2時間近く寒風に曝されていると、ようやく21:00発の佐伯行き最終列車がやってきました。
こちらはやはり特急車両です。
中には私以外に4人ほど乗っていました。
雰囲気的に鉄っぽい人が3人、スーツを着たリーマンが1人いたのですが、そのリーマンは地元民だったのでしょうか。
特急車両なので当然中に整理券発行機はありません。
直見駅を出発した後に車掌が来て乗車券を発行してもらいました。
というわけで佐伯駅に到着。
ちなみに終電に乗っていた5人のうち3人は大分行きにそのまま乗り換えていきました。
徒歩まとめ
自己最長距離を歩くということでどうなるかと思いましたが、さすがに幹線ということで歩きやすかったですね。日田彦山線の斫石峠に比べると全く大したことはなかったです。
また、日中の気温も15℃前後で曇りというのもプラスに作用しました。翌日の佐伯市は雨だったので、これまた前回に引き続き謎の幸運でしたね。
【今後必要なこと】
①足のマメ対策
今までの長距離徒歩は普通の靴下でやっていたので、次からは専用にスポーツソックスを購入することにしました。
②エネルギー補給
サッと食べられてエネルギー効率の良い携帯食料を持っていこうと思いました。カロリーメイトやスニッカーズがおススメみたいですね。
重岡駅、宗太郎駅に加えて直見駅のはじめまして称号を獲得できました。
次は今回行けなかったトトロのバス停とか行ってみたいですね。
今後の予定
・JR西日本おでかけきっぷを使って乗り回し(GW)
・日本最長路線バス、大和八木~新宮線に乗る(GW)
というわけで今回はこれにて終了です。
ではでは。