こんにちは。高岡氏です。
どこぞの知事連中がGW潰しとばかりに緊急事態宣言を乱発していましたが、
1年も経って未だに単純な感染者数だけでしか判断できない現状には辟易するばかりです。
いつまでこの騒動が続くのかは分かりませんが、あくまで冷静な行動を心がけたいものですね。
1日目 5/6(木)8:40
一応奈良県は緊急事態宣言の対象外地域ではありますが、結局飲食店は時短営業を行っているのでほとんど差はないように思います。
高速バス乗り場ではなく、普通の路線バス乗り場に「新宮駅」があるため異質さが際立っています。
この日はGW連休明けの人も多かったため、新宮駅行き以外は軒並み満員に近い乗車率でした。
9:15発 新宮駅行きの始発に乗車したのは5人(6人だった気もする)。
出発前に運転手が、新宮駅まで乗り通す人数を訊いていました。これを乗り通すと記念乗車証が貰えるという話を聞いていたのでその関係でしょうか?
ちなみにこの便の乗り通し客は年配の女性1人のみ。そもそもが路線バスなので、6時間も乗る客の方が少数派なのです。しかし運転手は途中交代せず6時間ずっと運転を続けるので大変ですね・・・(なお休憩は計3回あります)。
八木新宮線のルートですが、
途中の五条駅までは高田市、御所市を経由して進み、
五条駅からは国道168号線をひたすら南下し、十津川村、熊野本宮大社などを経由して新宮駅へと向かいます。
この日最も乗客が多かったのが近鉄御所駅発車時で、一時は座席が7割くらい埋まっていました。
というわけで、出発から1時間程度で最初の休憩地点・五條バスセンターに到着します。
ショッピングモールに併設されたバスセンターですが、休憩時間は10分程度なのでのんびり買い物をしている余裕はありません。
待合室内の旅行センターは閉業していました。
八木新宮線には専用のラッピングが施されているようです。
これを見ると8つもの自治体を通ることが分かります。
もちろん乗り通すと運賃がバカ高くなってしまいますが、交通系ICカードに対応しているため現金が無くても安心して乗れるのがありがたい点ですね。
途中下車可能で2日間利用できる片道のみ有効な乗車券があるので、そちらを事前に買っておくのも良いでしょう(金額は乗り通し分と同じ)。
五條駅を過ぎたあたりから一気に雰囲気が変わり、山間部をクネクネと進む道になります。
途中でバスの転回場もあります。
2011年の台風による水害の傷跡が数多く残っています。
車窓からは土砂崩れによって不通となってしまった道路を見ることができます。
12:06 上野地停留所で二度目の休憩。
ここは有名な「谷瀬の吊り橋」の最寄りであり、観光と昼食タイムのためか20分と他より長めに休憩を取ります。
なおバスの出発時間に間に合わなかった場合は・・・
運転手「上野地を気に入ったと判断して置いていきます」
・・・気をつけます。
といっても肝心の吊り橋がウイルス騒動によりGW中封鎖の憂き目にあってしまったため、この日に限っては時間オーバーの心配はありませんでした。
正直ここまでする必要性は無かったのではないかと思いますが、
これはこれで貴重な光景を見れたということで良しとすべきでしょう。
駐車場も封鎖されており、徹底して観光客を呼び込むまいという姿勢を見せています。
これが八木新宮線の運行図・・・。
停留所数が多すぎて訳が分からなくなりそうです。
13:30 3回目の休憩地点であり本日の目的地である十津川温泉停留所。
乗り通しも考えましたが、6時間半の行程のうち半分以上を占める
コンビニはありませんが、スーパー・ドライブインが近くにあるので補給が可能です。ラーメン屋もありますが、昼の部の営業時間が13:30までなので大和八木からのバスで訪問するのは難しそうです。
十津川村といえば吊り橋のイメージが大きいですが、かつては図の「野猿」という乗り物で対岸への移動が行われていました。
現在は専ら観光用として使用されており、この日止まる宿に向かう途中にこの写真の1台がありました。
特に立ち入り禁止の札やお金の投入口などは見つからなかったため、勝手に乗っても良かったのでしょうか・・・ ヘタレな私は怒られそうなので乗れませんでした。
というわけでこの日の宿はこちら。「静響の宿 山水」です。
普段はビジネスホテルやゲストハウスに泊まるのですが、せっかくこういう所に来たのですから少しお高めの温泉宿に泊まりたいですよね。
部屋からは川の流れを見ることができます。
「都会ではないおもわぬ者」
どんな者か見てみたかった。
この宿では大浴場ともうひとつ貸切風呂があり、特に予約せずとも早い者勝ちで入浴することができます。この日は営業開始してすぐチェックインしたので、一番風呂に入ることができました。
主な成分は硫黄と鉄です。
2日目 5/7(金) 9:16
宿から数分歩くと、世界遺産・熊野古道の1つである「小辺路」が見えてきます。
この日の目的は、
です。
後で知ったのですが、
計画時は「十津川温泉~熊野本宮大社」の道だけを「小辺路」と呼称しているものだと思っていました。まあどのみち今の私に峠を3つも越えられる程度の体力があるとも思えないので、むしろ勘違いしていたことは運が良かったのかもしれません。
始まってわずか10分もしないうちにこの急勾配です。
「ちょっとしたハイキングコース」程度のもんだろうという認識でいたのですが、
そんな考えは早くも崩れ去りました。
美しい石畳の風情を感じている余裕なんて当然ながらありません。
というわけでさっきの石畳を上がるとさっそく息が上がってしまいました。
こんなんで完歩できるんだろうか・・・。
ベンチから見た十津川村がめちゃくちゃ綺麗です。
最初の見どころがこの「果無集落」。
こんな山の上で田畑を耕して生活している人の逞しさを肌で感じることのできる場所です。
集落には参詣客のために用意された椅子がありますが、現在はウイルス騒動のために使用禁止となっています。本来であればここで参詣客と住人の他愛のない会話が行われていたのでしょうか・・・。
集落を越えて少し登ると、登山届を投函するポストがあります。
え・・・ガチ登山じゃん・・・。
先述した通り熊野古道について大して下調べをしてこなかったので普通に衝撃を受けてしまいました。これまで登山届を書かなければいけないような登山をしたことが無かったので、実質的にこれが私の登山デビューというわけです。
世界遺産に選ばれているくらいだから観光色強めなのかと思いきやむしろその逆で、なるべく手を加えられないように気を使われているのが実情です。トレッキングポールの先は地面を荒らさないようにゴムをつけるようお願いされているくらいですからね。
まあ自然に優しい私は杖なし普通のスニーカーという装備で来ましたが!
道中給水スポットがあるのでうっかり水を飲み干してしまっても安心です。
というわけでちょうど正午ごろに果無峠に到着しました。
ひとまず登り道はここで終了・・・、ということでホッとしたのも束の間、今度は雨が降り始め気温が下がり始めてきました。
夏用のアンダーシャツを着ているので今度は寒い寒い。体温を上げるために止まれない、止まったら死ぬマグロの気分を味わいました。
とは言っても飯を食わねばやっぱり死ぬので、歯をガチガチ言わせながら弁当を頬張りました。
こちらは十津川温泉で泊まった宿の、参拝者向けプランについてくる弁当です。
道が固められている上、道標も一定の間隔であるため基本的に迷う心配はあまりないと思われるのですが、一部分かりづらい道もあるにはあるので気をつけるに越したことはありません。
雨が降ってなければどんな景色だったんだろうなあ。
うっかり七色集落の方へ行ってしまわないように気をつけましょう。
ところで果無、七色といちいちお洒落な地名ですね。
5時間かかって山を越えました。途中何度も滑りそうになったので、雨の日の下りは気をつけないとですね・・・。
小辺路の正式なルートはこのクラスの山をさらに2つ越える必要があるので、昔の人すげー!と感心するばかりです。いつか完走したい。
ちょうど本日2本目の八木新宮バスがやってきました。
でもここまで来たら歩いて本宮大社まで行きたいよなあ!?
というわけでスルー。
十津川温泉→八木尾で10駅分を5時間かけて移動したことになります。
道の駅奥熊野ほんぐうで休憩がてら菓子パンを購入。
近くのA-COOPが閉店したことで、ここが地域住民の買い物拠点となっています。
中には食堂も併設されていますが、例によってウイルス騒動のせいで閉鎖されていました。
かたや下り道、かたや登り道。
ここからは普通の道かと思いきや、
やっぱり山道でした。
しかも雨が降っているので水が浮いています。なんとか濡れないように歩きたい・・・
うーん、無理!w
ここまで来るともはや根から根に飛び移るアスレチックです。
ちなみに私はいつも同じスニーカーを履いているのですが、冬の豪雪地帯や登山用の靴を買っておきたいといつも後悔してしまいます。
今回も結局ずぶ濡れになってしまい足が強烈な臭気を発していました。
16時ごろ、ついに本宮大社に到着。
構内では6枚目の真ん中に写っている外国の方がご神体をパシャパシャと撮っていましたが、付き添いのガイド(?)に「ちゃんとお参りしてからにしましょう」と咎められていました。
私も危うくお参りする前にパシャパシャ撮ろうとしていたので助かりました
まあ最近は御朱印なんかもお参りをする前に貰おうとする人が問題になってたみたいですもんね。一般人に急速に広まっていったものはどうしても本来の意図と異なる捉え方をされてしまうのは仕方のないことですが・・・。
あとはまあ、写真を見てもらうと分かる通りコロナ終息祈願!って感じでした。
人間最後は神頼み、というのは今も昔も変わらないのでしょうね。
私も早くこんなしょうもない騒動が終わりますように、とお願いしてきました。
そしてこの馬鹿でかい鳥居が出迎えてくれるのが、熊野古道始まりの地「大斎原(おおゆのはら)」です。
写真ではこのでかさは伝わらないと思うので、実際に見に行ってみてください。本当にでかいです。
雨のせいか人も全くいなかったので、まさに「聖域」と呼ぶに相応しい厳かな雰囲気を肌で感じることができました。
というわけで再びバスに乗り、途中の川湯温泉で下車。
二日連続温泉なんていつもはあり得ないのですが、たまにはこういうのも良いもんです。
ちなみにここのお湯はめちゃくちゃ熱いので水で温度を下げるのは必須かも。
翌日は綺麗さっぱり晴れ渡っていました。
ちなみに温泉街の対岸には、川根温泉宿泊者限定で入浴できる露天風呂があります。
更衣室や間仕切りなんて気の利いたものはなく、女性が入るのはかなり厳しいものがありそう・・・。対岸の温泉街からは丸見えですからね。まあ周囲には明かりが無いので夜に入ることが前提なのでしょう。
なおこの日が旅行最終日だったのですが、時間に余裕があったので駅メモの温泉むすめイベントのスポットである紀伊勝浦まで行ってきました。
マグロや珍しいお土産などを買えて大満足でした。
というわけで、八木新宮線を使った今回の旅行は最高でした!
もちろん「最長路線バスを最初から最後まで乗り通し」ということも考えたのですが、せっかく秘境を通るのですから、のんびりしていかないともったいないです。
当日雨が降ってしまったのは少し残念ではありましたが、熊野古道や本宮大社ではむしろより厳かな雰囲気を盛り立ててくれる感じがして良かったのではないかとすら思います。足の臭いだけはどうにもなりませんでしたが
まだまだ旅行をするのは躊躇われる・・・という方も沢山いるとは思いますが、むしろ敢えて今行けば秘境を独り占めしているような感覚を味わえますよ。
ぜひ行ってみて、いや行け(脅迫)
ではでは。