こんにちは。高岡氏です。
JALが片道6600円セールを開催するようですね。
ちょっと前にANAが7000円セールを発表していましたが、あからさまにそれに対抗する価格になっています。
6月にエスコンフィールドに行くべく北海道行きを考えているので、なんとしても座席争いに勝ちたいところです(まあスタジアムの座席争いにも勝たないといけないんですけど・・・)。
今年は現地観戦を増やしていく予定なので、こういうキャンペーンをどんどん利用していきたいですね。
というわけで、昨年12月の熊本旅行レポの続きといきましょう。
前回は南阿蘇鉄道沿線の観光を取り上げたので、今回はその続きから。
2日目・12/24(土)夜
南阿蘇鉄道の観光が終わったので、この日の宿がある阿蘇駅までやって来ました。
阿蘇駅前ではウソップがお出迎え。阿蘇といえば草千里を始めとする大草原が観光名所となっていますが、地震で傷んだ草原を復活させるために、自然の力を武器にする彼がやって来たということだそう。
本当は立野駅周辺に泊まれれば一番良かったのですが、どうにもお安く泊まれる宿が少なく、なんとかここ阿蘇駅周辺に外国人観光客多めの安宿を見つけることが出来ました。
チェックインが20時ということで、とりあえず食べてからチェックインすれば良いか!とのんびり夕飯を食べていましたが、これが後々ピンチを招くことに・・・
夕飯は駅近くの「イースト珈琲館」で頂きました。駅前にあり21時まで営業しているというとても有難いお店です。ここの「石焼高菜めし&チキン南蛮定食」が本当に美味しかった・・・!
熊本の郷土飯として知られる「高菜めし」ですが、ここではそこにバターと卵が加わり、さらにそれを石焼にするというとても贅沢な仕様です。チキン南蛮の方は少し酸味が効いているのですが、これがカロリーの高そうな高菜めしと本当によく合います。
夢中になってかき込みました。店内の雰囲気も良くて本当におすすめしますよ。
さて、夕飯を食べて次の日の朝飯をコンビニで買っていると、時刻はチェックイン時間の20時を過ぎていました。宿からの着信に慌てて折り返し、どうにかチェックインしてもらえましたが、
「電話に出なかったので本当ならもう受付を締め切ってるところでしたよ」
と宿の方に言われて背筋がゾッとしました・・・。
皆さんはこんなことにならないように、観光はちゃんとチェックインを済ませてからにしましょうね!どうしてもチェックイン時間に間に合わないときはちゃんと宿に連絡を忘れずに・・・
3日目・12/25(日)~震災の傷跡~
朝の肥後大津行きは1両編成。
マジか・・・と思いましたが座れる程度の混雑でした。
というわけでまたしても立野駅に来ました。
今回は本当によくお世話になります。
この日の目的は、南阿蘇村の震災跡を見学して回ることです。
目的の場所は駅から離れた場所に点在しているため、バスを使おうと思ったのですが・・・
こ、これでどうやってバスを使えというんだ・・・。
せいぜい病院に行く老人が使う程度のものですかね。
現在とはルートが違うとはいえ、元々1日6便はあったこの路線ですが、震災を境にこの通り本数が減ってしまいました。まあ震災なんでしょうがないといえばしょうがないのですが・・・。
というわけで歩いていくことにしました。
立野ダムが順調に建設されていますね。
事業が始まったのが1983年とのことで、ダム建設とは非常に長期の工事なんですね。
見所その①・新阿蘇大橋
立野駅から30分ほど歩くと早速最初の見所、新阿蘇大橋に到着です。
2021年3月に完成したばかりの出来立てほやほやですね。
「新」阿蘇大橋、という名前ですが、旧阿蘇大橋はどうなったのかというと、お察しの通り地震で崩落してしまいました。
地震発生時にたまたま橋の上にいた学生が橋の崩落に巻き込まれ亡くなるという痛ましい事故が発生してしまったことで、新しく建設する橋には崩落しないための工夫が施されています。
(マウスカーソルを合わせると、国土地理院の地図に変わります。国土地理院の地図の赤線で示されているのが布田川断層です。)
新阿蘇大橋は、旧阿蘇大橋から南に600mほど離れた所に建設されているのですが、どちらも布田川断層に跨っているのは変わらないため、地震発生前と同じ組み方をするとまた崩落してしまいます。
手前にある橋脚を見てみると、他の物とは異なり、少し幅広になっていますね。
また、上の橋桁の部分にも接合部に少し隙間があります。ここはちょうど断層の真上部分にあたるため、地震が起こると橋桁が大きく左右に揺れることになりますが、この構造により橋桁が落ちにくくなっているというわけですね。
・・・と、いうことが展望所の案内板に書かれていますので、興味があればご覧ください。
奥の方にある阿蘇長陽大橋もなかなかの迫力です。
展望所にはカフェがあるので、一服しながら日本の震災対策技術の結晶をゆっくり観察してみてくださいね。
見所その②・旧阿蘇大橋跡と数鹿流崩れ
さて、先述した旧阿蘇大橋ですが、震災で崩落した当時の姿のまま震災遺構として保存されています。川の向こう岸から見ると崩れて崖に引っかかっている橋桁を確認できます。今回はそこまでは行けませんでした。
ここから見える無残に山肌が露出した部分は「数鹿流(すがる)崩れ」と言われており、地震の規模を物語っています。
旧阿蘇大橋遺構のすぐ傍に、この日の目的地の1つ、旧東海大学阿蘇キャンパス正門もあります。が、正門から構内に入ることが出来ないため注意が必要です。
というのも、
地図上では立野駅側の入口が2つあるように見えますが、いずれも現時点では道が崩落しており入ることが出来ません。
今回私は立野駅から訪問しましたが、鉄道を使って訪問したい場合は赤水駅から訪問した方が近いです。先述の通りバスの本数も乏しいですし、赤い線で描いた道を歩くと普通に1時間くらいはかかりますからね・・・。
なお、正門から構内に入るとこんな感じです。
この場所だけ時が止まっているようです。
これが正門からは入れない理由です。
ここは遺構としてこのまま残す方針なんでしょうかね。
見所その③・震災伝承館「轍」
かつて小学校だった建物をミュージアムにした「轍」ですが、土曜日のみ開館なので訪問の際は注意が必要です。
見所その④・阿蘇猿まわし劇場
というわけで阿蘇キャンパスへ行くために県道を歩いていると、もう11時が迫ってきました。
すると、お誂え向きに11時から猿回しの舞台があるじゃあないですか。
元々見る予定ではいて、最初は午後の部を見ようと思っていたのですが、ある意味運良く予定が狂いました。
だだっ広い駐車場に車は5台だけ・・・。
震災やらコロナやらで長らく休館状態が続いていたらしく、色々大変だったようです。
ホームページでは大きな劇場で演じているシーンが紹介されているのですが、先述の通りの苦しい状況のためか、現在では大劇場の手前の小さな建物で公演を行っているようです。
でもこれはこれで演者と猿の息遣いを近くに感じられるので、客が少ない今のうちに行けたのはむしろラッキーだったかもしれません。
公演後には演者と写真撮影。
とても癒されるので阿蘇に行った際にはぜひ訪問してみてください。
公演時間も40分くらいと観光の合間のちょっと空いた時間にちょうどいい感じになっています。
見所その⑤・旧東海大学阿蘇キャンパス
正午過ぎになってようやく目当ての東海大学阿蘇キャンパスに到着。
向かう道はまだまだ整備されていません。
阿蘇キャンパス自体は廃止になりましたが、手前の阿蘇実習フィールドは現在でも東海大学が使っているので勝手に入らないようにしましょう。
現地にはガイドの方がいて、頼めば解説してもらいながら見学できます。
上から見ると「人」の形をした変わった校舎ですが、現在はそれぞれが切り離されています。写真だと分かりにくいですが、断層の真上に位置する真ん中の部分の負担が特に大きく、その部分だけ激しく損傷しているため、保存の都合上そうなっているとのこと。
地震により表出した断層は、風化しないように樹脂で固められています。
そしてここにはロビン像が設置されています。
考古学者として震災の歴史と教訓を語り継ぐ手助けをしてくれるそう。
キャンパスの隣には震災遺構を展示するミュージアム「熊本地震 記憶の回廊」が開設される予定です。
見学が終わるとガイドの方が車で送っていこうかと申し出てくださったのですが、さすがにまだお昼なのでもうちょっと見て回るためにお断りさせていただきました。
といってもこの時間から阿蘇ファームランドに行ってもしょうがないので、とりあえず山道を登りながらどこへ行こうか考えることに。
見所その⑥・サジェストが不穏?杉養蜂園
熊本市に本社を置く蜂関連製品の企業、杉養蜂園の店舗です。
時期によっては女王バチの展示であったり、クイズラリーのようなイベントを行っているそうですが、この日の訪問では特にそんなことはありませんでした。
さて、wikiによるとこの企業は「独自のダイレクトテレマーケティングによるシステム」が特徴らしいのですが、検索したときのサジェストがこちら。
「杉養蜂園 しつこい」
「杉養蜂園 宗教」
どうやら商品購入時に会員になると、新商品や限定商品の販売時に電話を掛けてくるようで、それがすこぶる評判が悪いようです。
もし事実であれば、プライバシー意識の高まった現代で電話営業は嫌われるのでしゃあなしですねえ。とはいえ私もここで商品をいくつか購入しましたが、会員勧誘をされることはありませんでした。単純に金を持ってなさそうだと判断された可能性もありそうですが、普通に店舗で商品を購入する分にはあまり気にしなくても良いと思います。
循環バスのルートとは逆方向に山を登っていきます。
見所その⑦・葉祥明絵本美術館
絵本作家・葉祥明氏の弟・葉山祥鼎氏が館長を務める美術館です。
葉祥明氏の原画と、彼の書いた人生訓のような言葉がセットで展示されています。また、館長の葉山祥鼎氏も作家活動を行っており、その作品も展示されています。ご本人もいらっしゃいました。
絵と人生訓をセットにした展示方法としては、以前訪問した富弘美術館を思い浮かべるのですが、今回は若干説教臭さを感じて個人的にはあまり刺さらなかったなあという感じです。
ここのメインは、何と言っても庭でしょう。
というのも、この庭こそが彼らの絵本の舞台であり、絵本の世界をそのまま現実に持ってきたような光景を見ることが出来ます。
まあ訪問時期が時期なんで、どうにも寂しい雰囲気になってしまいましたけどね・・・。
ファミリーで来たお父さんが、
「絵本の世界だ!感動だなあ・・・」
的なことを言っていたので、彼らの作品のファンは訪れてみるべき場所でしょう。
そうでなくとも、春~秋にかけては希少な「ブルー・ビー」、つまり青い蜂を見ることも出来るので、幻想的な雰囲気を味わえること請け合いです。私も次に来るときは暖かい時期にしようと思います。
なお、以前はここと、その奥の「大野勝彦美術館」までバスが走っていたのですが、現在は休止状態になっています。
南阿蘇鉄道が復旧したらバスも復活するのでしょうか・・・。
そろそろ良い時間になってきたので山を下りることに。
時間的に次が最後のスポットになりそう。
のどかな田園風景が広がります。
見所その⑧・南阿蘇復興公園
「京大の火山研究所がある所(図中黒丸の右にあるやつ)で大規模な地滑りがあって、地層が剥き出しになった場所がある」
と紹介されて気になったので、その付近にある復興公園にやってきました。
公園というか住宅の分譲地のように見えますね。
実際は、今後また同じような災害が発生した際に100台程度の車を停められる駐車場スペースとなっています。
住宅の手前には倉庫や仮設トイレがあるのも分かりますね。
ただのモニュメントとしてだけではなく、防災訓練にも使われることでまさに震災の教訓を後世に伝える場になっている、というわけです。
もちろんモニュメント的なやつもあります。
では地滑り跡を見ていきましょう。
あまり近づいて見ることは出来ませんが、これだけ綺麗に露出した地層を見る機会もあまり無いと思います。
写真では分かりにくいですが、地層の少し下に目をやると山の斜面が階段状に整備されています。これこそが地滑りの跡です。
この真下にある集落はそりゃひとたまりも無かったわな・・・。
復興公園側からは東海大学阿蘇キャンパスと数鹿流崩れの両方を臨むことが出来ます。震災の象徴的な遺構を見渡せるこの場所は、まさに「復興公園」に相応しい場所と言えます。
3日目まとめ
というわけで、バスの本数の少なさを嘆きながらもなんやかんやで南阿蘇フィールドワークを楽しめた1日でした。
結果的に20km以上もひたすら歩き回っていたわけですが、ここまでご覧になっていただいたのであれば分かるように、
徒歩だけでも意外に色んなスポットを見て回れます。
阿蘇の綺麗な空気を吸いながらさらに健康に良いウォーキングなんて贅沢な体験ですね。
そうそう、昼食は立野駅近くにある「おべんとうのヒライ」で買うのがおススメです。
熊本・福岡を中心に展開するローカルコンビニチェーンで、「ちくわサラダ」なるものが有名ですが、全体的にどれもボリューミーでウォーキングのお供に最適です。
今回はサラダ巻きと片手で食べられるのり弁を購入しました。
・・・え?どういうことかって?
文字通り、おにぎりの中にのり弁の具を全てぶち込んだだけという最高に頭の悪いメニューです。
熊本県民のソウルフードとして紹介されるだけのことはありますね・・・。
さて、南阿蘇鉄道が復旧した日には、阿蘇に鉄オタを始めとした観光客が殺到してこんな風にゆったりと観光できなくなってしまうかもしれません。
というわけで、今が穴場(?)な阿蘇に、復興の息吹を感じに行ってみてはいかがでしょうか。
ではでは。